第一章 不動産の情報収集
この章では、不動産投資で成功している大家さんからヒアリングした不動産の情報収集の時に気を付けていることや、手法をお話し致します。
数多くの大家さんとお会いさせて頂いておりますが、私も最初の頃は「何か難しい特別なことをしているんだろうな…」と想像していましたが、たくさんの大家さんのお話しを聞いていくうちに「あれ?そんな簡単なことだけ?」という感じになってしまったので安心してください。
まず最初にこれだけは絶対に覚えてもらいたいのが
『あわてない、あせらない、あきらめない』
ということです。
あたりまえですが不動産の情報は良い物件が出てくるときは、出てきますし、出てこない時は出てきません。
ですが、良い物件が出てきたときは完全に取り合いです。奪い合いといっても良いでしょう。
奪い合いになるのは毎日毎日、大量に良い物件が出てくるわけではないからです。
奪い合いになると、勝つこともありますが、もちろん負けることもあります。
だから、あわてないで、あせらないで信頼できる不動産会社の担当者と二人三脚で不動産の情報を待つ姿勢が大事だと成功している多くの大家さんは言っておられました。
ただ、待つ姿勢を保ちながら物件の情報が入ってきたら逐一、紹介してくれた不動産会社に連絡をすることも気を付けているそうです。
不動産会社の担当者も『人』です。
ご自身の立場で考えてみるとどうでしょうか?
連絡をしても連絡をくれない人に
美味しいお店を教えますか?
良い服屋さんを教えますか?
良い情報を教えますか?
答えは「教えない」です。
最初は担当者も頑張って紹介してくれると思います。
ですが、段々と「この人に物件の情報送っても反応ないしな…。」という考えになり良い物件でも紹介してくれなくなってしまうからです。
とは言っても、サラリーマンをされている方は本業もあるかと思います。
なので、仕事中に物件紹介のメールや電話があった場合には、
メールを返す余裕があれば、紹介に対するお礼と仕事が終わってから
物件の詳細をチェックする旨を伝える。
電話であれば、仕事中で申し訳ないがメールで概要書だけでも送ってほしいと
お願いする。
これを徹底するだけで、不動産会社の担当と良い関係が築くことができ
物件の紹介を定期的にしてもらえるようになると成功されているほとんどの方がおっしゃっていたことです。
ただ、ここで私が不思議に思っている話をさせてもらいたいと思います。
いざ良い物件が出てきたときに、迷う方がいます。
私は不動産会社に勤めているので、読んでくださっている方からすると
「自分の立場だから、そんなことが言えるんだろ!」と言われてしまいそうですが
良い物件が出てきたら融資特約をつけて、すぐにでも買付を出すべきだと思っています。
なぜなら、買付はあくまで「私はこの金額で購入したいと思っています。」という意思表示なので、詳細を調べていく間にネガティブポイントが見えて買付を取り下げたり、融資が付かなかったら買付を取り下げたりできるので良い物件が紹介されたらすぐにでも買付を出すことを私はオススメします。
また、不動産業者の中には買付を取得した本数が営業担当の成績になる会社もありますので、そこに協力するという意味合いでも買付は出してあげたほうが良いでしょう。
このコンテンツは令和7年10月5日に書いていますが先月の9月にも買付を出すかどうか迷われていて「全ての調査が終わって購入意思が固まりました!」と私にお客様からご連絡を頂きましたが、その時には既に契約済みとなってしまい、その方にはご購入頂くことができませんでした。
「大きな金額を動かすことだから迷ってしまいました。買いたいとは思ったが投資なのでリスクを考える必要もあるし、リスクヘッジも必要だと思った。こういうことを考えている間にやはり良い物件はすぐ売れてしまうんですね…。」
このようなことをおっしゃっていましたが、その後、私から良い物件が紹介されたら一度、詳細を見て良いと思ったらすぐに買付を出すようにと私からお話しをしたところ、すぐに実践されたようで「契約できそうになってきました!」と嬉しいご報告を頂きました。
(私から紹介させて頂いた物件ではなかったことが少し残念ですが…笑)
これは行動と考慮の順序の違いですが「成功する人」と「成功しない人」の違いだと思っています。
私にビジネスを教えてくれた人に耳が痛くなるほど言われた言葉があります。
「世間一般では行動する前に考えろと言うが、ビジネスの世界は甘くない。考える前に行動しろ。行動が第一で考えるのが後。考えてる間にチャンスは消える。チャンスの女神の後ろ髪はないから来たらおでこを抑えろ。」
この言葉を言われた時、衝撃を受けたことを今でも覚えています。(おでこって…と突っ込んだのも覚えています(笑))
世間一般では確かに「行動する前に考えろ」と言いますよね。
会社内でも、子育てでも言います。
言ってしまえばこれは「(危険を回避するために)行動する前に考えろ」と同じ意味合いになると思います。
たしかに、危険を回避するのは大事なことです。
投資である以上、危険はつきものなので危険を回避するための考えは不可欠ですが、不動産投資の場合は割とゆっくり考える時間があります。
「買付から融資の審査、さらに契約」
この段階を踏んでいる間にいくらでも考えることができます。
買いたいという意思を表明してから考えて、良い物件を逃さないことも良い物件を買い続けるための大事なことだと思います。
ただ、たまにいらっしゃるのが不当な理由をつけて「価格を安くしろ」と言う方。
価格を安くしてほしい理由が妥当であれば私たち不動産会社の担当者も納得して価格の交渉を致しますが、理由もなく安くしてくれと言われるとただのクレーマーのように感じてしまいます。
これは私だけでなく、他の不動産会社からもブラックリスト入りになってしまい物件を買うことができない負のスパイラルに陥る可能性があります。
安くしてほしい理由をしっかりと説明した上での価格交渉を心掛けることで、不動産会社の担当者も「そこまで調べた上での交渉であれば頑張って価格交渉しよう!」となります。
良い物件を買い続けられる人は、
・『YES』と『NO』がハッキリ言える人。
・ご自身の発言に責任が持てる人。
・行動が早い人。
かと、私は思っています。
物件の情報を収集したいのであれば、私が思うに
『会った業者の数に比例する』
のではないかと思っています。
基本的に良い物件の情報を収集する為には沢山の業者と会う必要があると考えています。
私自身、以前に不動産を自社で保有する会社にいましたが業者と数多く会っていかなければ良い物件の情報を掴むことはできませんでした。
上述した通り、業者の担当者も『人』です。
なので、買った人が稼げる物件は仲が良くて自分が好きな人に物件を紹介します。
良い物件の情報を掴みたいのであれば業者に会いまくる。
そして、会った業者の中で「この担当者良い!」と思ったら付き合いを深くするべきかと思います。
【物件情報収集ルーティン 例】
①通勤時間に電車内で気になる物件を楽待や健美家で問い合わせ
↓
②昼休憩時に物件資料が届いていれば業者にお礼の連絡
(電話で話ができればベスト)
↓
③帰宅後に物件を精査した上で紹介してくれた業者へ
購入検討可能か連絡
⓷の時点で指値をしたくなる気持ちも分かりますが、この段階で指値はできるだけ控えた方が良いと思います。
可能であれば融資の可否が決定したタイミングで確実な根拠を持っての指値がベストではないかと思います。
投稿者プロフィール

- 全国の大家さんと繋がる「場」を作っています。 自身の経験から得た不動産投資の成功・失敗談や、最新の市況ニュースを更新中。 孤独になりがちな大家業ですが、ここでは仲間と共に学び、共に豊かになることを目指しています。
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